太陽光発電
薄型軽量太陽光パネルの設置・導入方法とは!施工方法と工事の流れを徹底解説!
太陽光パネル設置は複雑な投資です
太陽光発電パネル設置により電力コストダウンや環境負荷軽減を目指す企業は年々増加傾向にあります。一方で、店舗・倉庫・工場といった、電力を沢山使用する施設・建物においては、折半屋根による耐荷重の課題から太陽光パネルの導入を断念してしまうケースも増えています。このような課題を解決するべく登場したのが、薄型軽量太陽光パネルです。
太陽光パネル設置は大きな電気料金削減効果を生む分、初期投資も高額となり、設置までの流れが複雑化しています。
また、薄型軽量太陽光パネルは従来型太陽光パネルと異なる設置方法が採用されています。
本記事では、薄型軽量太陽光パネルの設置方法と導入の流れについて詳しく解説します。
薄型軽量太陽光パネルとは
薄型軽量太陽光パネルは、従来型太陽光パネルと同等レベルの発電効率を持ち、荷重が従来型太陽光パネルの1/3~1/2に設計されている画期的な製品です。
耐荷重の課題から従来型太陽光パネルの導入を断念した店舗・工場・倉庫等であっても、薄型軽量太陽光パネルであれば導入できる可能性があります。
また、導入は検討したものの、設置可能な枚数が少なく、十分な発電効果が見込めない場所であっても、投資対効果を見込むことができる可能性があります。
薄型軽量太陽光パネルの特徴と利点
従来型太陽光パネルと薄型軽量太陽光パネルを比較してみました。
従来型太陽光パネルの平米荷重は、約10.7kg/㎡となっている一方、薄型軽量太陽光パネルの平米荷重は約3.3kg/㎡~約6.6kg/㎡と、従来型太陽光パネルと比べて大幅に軽く設計されている点が特徴であり利点です。
パネル製品 | フレキシブル太陽光パネル フレームレスモデル |
フレキシブル太陽光パネル フレーム付モデル |
軽量ガラス太陽光パネル | 従来型太陽光パネル*1 |
---|---|---|---|---|
パネル画像 | ||||
サイズ | 2054×1084×2 mm | 2125×1051×35 mm | 1909×1134×30 mm | 2094×1038×35 mm |
荷重 | 約 3.3 kg/㎡ | 約 5.1 kg/㎡ | 約 6.6 kg/㎡ | 約 10.7 kg/㎡ |
出力 | 430 W | 430 W | 460 W | 455 W |
変換効率 | 19.4 % | 19.3 % | 21.2 % | 20.9 % |
薄型軽量太陽光パネルの詳細は別記事にて解説しております。
薄型軽量太陽光パネルの設置方法と特徴
従来型の太陽光パネルは、頑強な架台を設置してその上にパネルを設置する方法が主流となっていました。
従来型では約10.7kg/㎡*の荷重がかかるため、耐荷重が低く設定されている建物では、従来型パネルの設置が困難であることがよくわかります。
*当社取扱従来型太陽光パネルの例
では、薄型軽量太陽光パネルの設置には、どのような施工方法が採用されるのでしょうか。
薄型軽量太陽光パネルの設置においては、「特殊な金具を用いた設置方法」・「接着を用いた柔軟な設置方法」の2つの方法が主流となっています。
特殊な金具を用いた設置方法
ねじ締め式の金具を用いて挟み込むことで、太陽光パネルを屋根に固定する工法です。
手のひらサイズの金具を用いた施工となるため、架台の設置に比べて荷重を大幅に削減することが出来ます。
メリット
・屋根への損傷を最小限に抑えられる
・設置が簡単で素早い
・メンテナンスが容易
デメリット
・陸屋根といった平面の屋根には使用できない
・パネルに角度をつけた設置が出来ない
接着を用いた柔軟な設置方法
専用の接着剤を用いて、屋根や壁面等に直接貼り付ける設置方法です。湾曲面といった、これまで太陽光パネルの検討先にならなかった箇所でも設置できる可能性があります。
メリット
・平坦な面があれば様々な箇所に設置が可能
・フレームを必要としないフレキシブルタイプの設置が可能
・金具を必要としないため、美観に優れる
デメリット
・設置面へ直接接着するため、取り外しが困難
・高温多湿等により接着剤の劣化リスクがある
設置を検討している環境により、適切な施工方法を選択することが重要となります。
太陽光パネル設置の流れ
設置の流れと補助金利用
太陽光パネル設置は次のようなステップで進んでいき、検討開始から稼働開始まで4~8ヶ月ほどが目安となります。
①. 現地調査/シミュレーション/本見積
②. 検討期間
③. 工事請負契約
④. 設置工事
また、軽量太陽光パネルにおいても、従来型太陽光パネル同様に補助金の利用出来る場合があります。。
補助金を利用する場合は、申請書の作成・提出、交付決定までの審査期間などにより稼働開始まで約3ヵ月ほどプラス、工事完了や補助金の入金までを含めるとプロジェクト全体として半年強の期間がプラスされるイメージです。
補助金には申請期限等があるため、逆算したスケジューリングが必要となります。
工事の流れ
薄型軽量太陽光パネルの設置では次のような工事を行います。
・機器基礎工事
・足場設置
・専用金具設置工事
・機器設置/電気工事
・停電作業
特に、既設の店舗・工場・倉庫等に太陽光パネルを設置する場合、営業への影響が最小限となる箇所への足場設置やパネル搬入ルートの選定が必要です。加えて、停電作業を実施する曜日や時間帯について気を付けなければなりません。例えば店舗においては営業時間外に停電作業を実施するなど、停電作業に伴う経済損失を最小限にするような計画が必要となります。
各種工事は並行して進行する内容もあり、工事の期間としては1週間~10日程度が見込まれます。
補助金の有無による投資回収年数の違い
薄型軽量太陽光パネルにおいても設置に各自治体が設ける補助金制度を利用することが出来ます。
しかし、その対象や補助金額は自治体によって異なります。例えば、東京都が設ける「地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業(都内設置・蓄電池単独設置)」では、中小企業等とその他で補助される金額に差異があります。
詳細は設置検討先所在地の自治体等HPをご確認ください。
自家消費型太陽光発電では、主に電気料金の削減額によって投資回収を行います。
通常では投資回収年数は10年前後が目安となりますが、太陽光パネル設置には補助金が利用できます。
太陽光パネル設置の補助金は金額が大きく、投資回収年数を大幅に短縮することが可能です。
例えば弊社で太陽光パネル導入に携わったカー用品店舗の例では、補助金の利用により、投資回収年数が約15年から約7年と大幅に短縮できる試算となりました。
このカー用品店舗における薄型軽量太陽光パネル導入事例は別記事にて詳しく解説しております。設置検討から導入まで、どのくらいの期間がかかったかも解説しておりますので、検討段階の方の参考になるかと思います。
太陽光パネル設置後について
発電状況の監視
太陽光パネル設置後は、期待通りの発電が出来ているか、何らかの不具合が発生していないかを監視する必要があります。設置場所現地に出向いての監視・確認は大きな負担となるため、遠隔監視システムの利用を推奨します。
例えば、弊社が提供している遠隔監視システムでは、時間・日・月・年単位で発電状況をリアルタイム監視でき、発電で何らかの障害があった場合には検知し通知する機能をもっています。
法定点検
システム出力10kW以上の事業用太陽光パネルにおいては、月次点検(6ヵ月に1回)と年次点検(1年に1回, 月次点検同時実施)の2点が法定点検として定められています。
共に提出必要のない点検ではありますが、電気関係法令に定められた内容ですので、確実に実施する必要があります。
点検箇所は、モジュール・架台、交流集電箱、ケーブル、パワコン、監視/計測装置等が当てはまります。
点検費用および項目については、所有者と電気主任技術者で決定します。
アフターメンテナンス
太陽光パネルは屋外に設置するものであり、自然環境の影響を受けやすい設備です。それは天候や時間帯による発電量のみならず、汚れや劣化といった内容も含まれます。
次のようなアフターメンテナンスを想定しておくことが必要となります。
太陽光パネルの清掃
太陽光パネル表面が、土埃や枯れ葉、鳥のフンなどで汚れてしまうと、発電量も下がってしまいます。
設置後3~4年ごとを目安にパネルを清掃することで、発電量のダウンを抑制することが出来ます。
ドローンによるホットスポット検知
飛来物等によりパネルへの傷や、パネルの異常故障によりホットスポットと呼ばれる、極端に温度が高いポイントが発生してしまうことがあります。詳細は割愛しますが、ホットスポットの発生はパネルの発電効率に影響を与えるため、定期的な点検が必要です。
数百枚規模で設置するパネル1枚ずつを目視で点検する作業は、足場費用や所要時間の観点から推奨されません。
赤外線ドローンを用いることで、費用や時間を抑えて異常が発生しているパネルを瞬時に判断することが可能です。
太陽光パネルの撤去
アフターメンテナンスとは少々異なりますが、太陽光パネル撤去も導入時に想定しておかなければならない内容です。特に物件を賃貸している場合は、退去・退店に伴う撤去が必要な場合がありますので注意が必要です。
設置・導入のご相談はEVエコホームにて承ります
我々EVエコホーム(株式会社アイエーエナジー)ではグループ会社店舗への太陽光パネル設置において、フレキシブル太陽光パネルを活用して同様の課題を解決した経験があるからこそ、太陽光パネル設置に課題を持つ貴社に最適なご提案が可能です。