コストダウンや環境意識を目的として太陽光発電パネル設置を検討し、耐荷重の課題で店舗・倉庫・工場屋根への導入を断念する企業が増えています。薄型軽量太陽光パネルは耐荷重の課題を解決するために非常に有効な選択肢です。

近年の電気料金の高騰に加え、サステナビリティへの関心が高まる中、再生可能エネルギーの活用は、企業の競争力を高める手段となっています。しかし、屋根の耐荷重や設置スペースに課題があり、従来型の太陽光パネル導入を断念するケースが後を断ちません。そんな課題を解決するべく登場したのが、薄型軽量太陽光パネルです。
本記事では、薄型軽量太陽光パネルについて詳しく解説します。

太陽光発電は、持続可能な社会の実現において非常に重要な役割を果たしています。
特に、広い屋根面積を持ち、大型の空調設備や長時間の稼働といった影響で電力使用量が多い傾向にある店舗、倉庫、工場といった建物は、太陽光発電を導入し、導入によるメリットを享受するためには絶好の場所と言えます。

店舗・倉庫・工場の屋根を活用した太陽光パネルの設置は、環境負荷の軽減と電力コストの削減を両立できる取り組みです。
再生可能エネルギーの代表例とも言える太陽光発電電力の使用で、化石燃料の使用を抑え、CO₂排出量の大幅な削減が可能となります。これは、SDGs（持続可能な開発目標）の達成に向けた取り組みや脱炭素といった社会的な責任を果たしつつ、企業の信頼性を高める絶好の機会となります。
また、太陽光パネルによる発電電力を自家消費することで、電力購入量の削減によるコストカットが可能です。また、エネルギー価格の変動リスクを回避できるため、長期的に安定した経営基盤の構築に寄与します。

太陽光パネルの設置は、環境への配慮とコスト削減による経済性を両立させ、企業の持続可能な成長を支える選択肢と言えます。

太陽光パネルを設置するメリットについて、店舗・倉庫・工場それぞれの観点から,より詳しく見ていきましょう。

店舗では多くのお客様や地域の目に触れることから、環境に配慮した取り組みをアピールしやすい点が特徴です。来店時の快適性を担保しながら、環境への取り組みにも積極的な店舗は、お客様にとって競合他社と比べ優先的に選択される可能性があります。
また、エレベーターやエスカレーター、館内空調といった電力消費の激しい大型店舗のみならず、コンビニを代表とする小規模の小売店舗であっても、食品の冷蔵庫やホットスナックの保温設備といった高消費電力設備による電気料金は侮れず、長期的に利益を拡大するための施策として太陽光パネルの設置は非常に有効と言えるでしょう。

太陽光パネルの設置可能枚数は「設置可能面積」と「設置箇所の耐荷重」によって変動します。倉庫は店舗と比べて広い面積の屋根を持つ点に大きなメリットがあります。太陽光パネルの設置枚数が多くなれば、それだけ発電量も大きくなります。
24時間365日、常に空調や冷蔵設備による温度管理が必要なものを保管する倉庫では、特に太陽光発電による効果が大きいと言えます。このような倉庫では電気料金がコスト全体において非常に大きな割合を占める傾向にあり、電気料金の削減は収益性を格段に向上させることでしょう。

工場も倉庫と同様に店舗に比べて広い屋根等の設置箇所を持っている点にメリットがあります。また、24時間365日稼働する工場においては、空調設備に加え、生産ライン等の設備による消費電力が非常に大きい傾向にあります。特に稼働時間が日中に集中している倉庫であれば、太陽光パネルが最も発電する時間帯に発電電力を自家消費できるため、電気料金の削減効果はより向上することでしょう。
そして、工場においては環境への配慮が他事業に比べて大きく求められる傾向にあります。太陽光パネルの導入によるカーボンニュートラル達成への貢献は環境対応への規制に備えることが出来るだけでなく、企業イメージやサプライチェーン全体への良い影響が期待され、取引先企業からの評価向上が期待できます。

前項では、店舗・倉庫・工場における太陽光パネル設置のメリットを解説しました。
電気料金の削減、脱炭素社会への貢献といった観点から、導入の検討を進めたいと感じて頂けていれば幸いです。しかし、太陽光パネルを設置・導入しメリットを享受するためには、これらの建物に特有のとある課題を解決する必要があります。それが「耐荷重」の課題です。
店舗・倉庫・工場で採用されることが多いのは、「折板屋根」です。折板屋根には、軽量で施工が簡単、支柱を減らすことが出来るため建物内部の空間を広く扱うことが出来る、比較的安価に施工できるといったメリットがある一方で、折板屋根が採用された建物は耐荷重が低いというデメリットがあります。
従来型の太陽光パネルは、1㎡あたりの荷重(=平米荷重)が約10.7kg/㎡となっており、折板屋根では耐荷重の制限で満足な枚数を設置・導入出来ない他、そもそも設置そのものが不可という場合があります。これまで太陽光パネルの導入を検討された企業の中には、この理由から断念した場合も多いのではないでしょうか。
この耐荷重の課題を解決すべく、薄型軽量太陽光パネルが開発されました。

薄型軽量太陽光パネルは、従来型太陽光パネルと同等レベルの発電効率を持ち、荷重が従来型太陽光パネルの1/3～1/2に設計されている画期的な製品です。
薄型軽量太陽光パネルの持つ魅力・メリットについて詳しく解説していきます。

前項のとおり、従来型太陽光パネルの平米荷重は、約10.7kg/㎡となっております。一方、薄型軽量太陽光パネルの平米荷重は約3.3kg/㎡～約6.6kg/㎡と、従来型太陽光パネルと比べて大幅に軽く設計されています。例えば弊社で扱っている製品の1つ「フレキシブル太陽光パネル フレーム付モデル」では、平米荷重が約5.1kg/㎡と設計されており、単純計算で同じ耐荷重に対し2倍のパネル枚数の設置が可能となります。広い屋根面積を持つにも関わらず、耐荷重の制限で設置できるパネル枚数が限定されていた場合に大きく効力を発揮することでしょう。

太陽光パネルの荷重が軽くなるという事は、設置する場所についても大きなメリットを発揮します。上図のようにカーポート等への設置が可能となります。特に「フレキシブル太陽光パネル フレームレスモデル」では、湾曲面への設置が可能であり、これまで太陽光パネル設置の選択肢にも入っていなかったような場所であっても太陽光発電のメリットを享受できる可能性があります。

薄型軽量太陽光パネルには大別して「フレキシブル太陽光パネル」・「軽量ガラス太陽光パネル」の2種類の製品があります。それぞれの特徴について解説していきます。

フレキシブル太陽光パネルは、その名の通り高い柔軟性を持ち、荷重が重くなる主たる原因であるガラスを使用しない設計となっている薄型軽量太陽光パネルです。フレキシブル太陽光パネル製品としては、最も軽い「フレームレスモデル」と、屋根を傷めずに設置が可能である「フレーム付モデル」があります。

軽量ガラス太陽光パネルは、その名の通り従来型太陽光パネルと比べて軽量のガラスを採用設計している薄型軽量太陽光パネルです。フレキシブル太陽光パネルと比べて荷重が少々増し、値段が下がり、発電効率が上がる点が特徴です。

薄型軽量太陽光パネルの代表例と従来型太陽光パネルの比較を表にまとめました。

薄型軽量太陽光パネルの施工方法や導入事例といった、より詳細な内容は別記事にて解説しておりますので、
是非あわせてご覧下さい。

我々EVエコホーム(株式会社アイエーエナジー)ではグループ会社店舗への太陽光パネル設置において、フレキシブル太陽光パネルを活用して同様の課題を解決した経験があるからこそ、太陽光パネル設置に課題を持つ貴社に最適なご提案が可能です。