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コラム

PHEVは本当に“買い”なのか? プリウスGグレードで比較する"燃費"VS"電費"

PHEVは本当に“買い”なのか? プリウスGグレードで比較する"燃費"VS"電費"
ここがポイント
  • プリウスPHEVの車両価格はHEVより高いが、補助金で価格差の一部が埋まる。
  • 電気による走行を活用すれば4年ほどでPHEVのほうがトータルコストが安くなる。
  • PHEVを活用するには自宅の充電設備が必要。

はじめに

「PHEVって、実際どれくらいお得なんですか?」

電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の普及が進む中、そうした声をよく耳にするようになりました。環境への配慮や静粛性、将来的なガソリン価格の高騰など、PHEVに惹かれる理由は様々ですが、やはり気になるのは「経済合理性」です。

本コラムでは、トヨタの人気車種「プリウス」のGグレードにおけるPHEV(プラグインハイブリッド)とHEV(ハイブリッド)を比較し、補助金や年間のコストを踏まえて、どちらが“得”なのかを検証します。

PHEVの方が安くなることも?比較する2台の価格と補助金

項目 プリウス Gグレード PHEV プリウス Gグレード HEV 価格差
車両価格(税込) 3,900,000円 3,200,000円 700,000円
CEV補助金(2025年度) 600,000円 対象外 ▲600,000円
実質価格(車両価格-補助金) 3,300,000円 3,200,000円 100,000円
参照元:<重要>令和6年度補正 CEV補助金 車両補助額について
    トヨタ プリウス | 価格・グレード | トヨタ自動車WEBサイト

プリウスGグレードのPHEVとHEVのそれぞれの価格は上記のとおりです。
PHEVとHEV車両価格については70万円の差がありますが、PHEVはCEV補助金(国の補助金)により60万円の補助金を利用することができます。
この時点でPHEVとHEVの実質的な価格差は 10万円 となります。

なお、CEV補助金の他に各自治体の補助金も併せて利用することができます。
東京都の場合*、プリウス Gグレード PHEVの補助金は55万円+αなので、
これを利用するとこの時点でPHEVのほうがHEVよりも45万以上実質価格が安くなることになります。
*参照元:クール・ネット東京 :東京都地球温暖化防止活動推進センター | 「FCV・EV・PHEV車両燃料電池自動車等の普及促進事業・電気自動車等の普及促進事業」

ランニングコストで10万円の差は埋まる?

ただ、各自治体の補助金と一口に言っても東京都のような補助金が出る自治体はそう多くはありませんので、CEV補助金のみを活用した場合の実質価格差10万円をランニングコストで消化できるか試算してみたいと思います。
自動車におけるランニングコストの要素はタイヤやオイル、メンテナンス費用、税金、保険など多岐にわたりますが、ここでは燃料・電力コストにフォーカスして計算してみたいと思います。以下の条件で試算してみました。

想定条件


  • 年間走行距離:10,000km(=1日あたり約27.4km)
  • 充電できる自宅環境がある
  • 電力単価:28.18円/kWh *1
  • ガソリン価格:184.5円/L *2

  • *1新電力ネットより電力(低圧)単価の過去2年の平均より算出(2025/3時点)
    *2資源エネルギー庁より給油所小売価格調査を参照(2025/4時点)

    プリウスPHEVの場合、充電電力使用時走行距離が87km*1なので、仮に毎日27.4kmを走行したとしても3日に一度のペースで満充電を行えば理論上はガソリンをほぼ消費せず*2に走行することができます。
    この場合の年間の電力コストを以下に試算してみたいと思います。

    ▼ PHEVの場合(電気走行のみ)


  • 電力消費率:7.46km/kWh *3
  • 年間必要電力量:10,000km ÷ 7.46km/kWh = 約1,340kWh
  • 年間電気代:1,340kWh × 28.18円 = 37,761円
  • 仮にPHEVを電気のみで年間10,000kmを走行した場合*4
    必要な電気代は年間37,761円となります。

    ▼ HEVの場合(ガソリンのみ)


  • 燃費(WLTC):28.6km/L *3
  • 必要ガソリン量:10,000km ÷ 28.6km/L = 約350L
  • 年間ガソリン代:350L × 184.5円 = 64,400円
  • 続いてHEVで年間10,000kmを走行した場合
    必要なガソリン代は年間64,400円となります。
    このHEVとPHEVのコスト差を計算すると以下のようになります。

    ▼ 年間コスト差

    64,400円(HEV) − 37,761円(PHEV) =26,639円
    試算結果から年間10,000km走行した際、HEVよりもPHEVの方が26,639円お得なことが判りました!


    *3 プリウス 主要諸元表・装備一覧を参照
    *4 暖房の使用や急加速をした場合EVモードでもエンジンの動力を必要とする場合があります。

    約3.75年で元が取れる計算に!

    初期価格差は実質10万円。その差をランニングコストで回収できるのは…

    100,000円 ÷ 26,639円 ≒ 約3.75年

    つまり、4年弱でPHEVの方が総コスト面で優位に立ち始める、ということになります。
    さらに、4年以上乗り続けるなら、その差は年々大きくなっていく計算になります。

    なお、今回は燃料・電力コストにフォーカスしてカタログスペックなどを基に試算しましたので実際は必ずこの通りにはなるわけではありません。さらに冒頭で記載したようにランニングコストのその他の要因を加味していくとさらに複雑になるかと思われます。
    ただ、ガソリンよりも電気で走るほうが圧倒的にコストは低いため、総走行距離が長くなるにつれてPHEVのコストの優位性は高まっていくと考えられます。

    電気で走るために日々の充電をどう行うか

    長く利用するのであればPHEVを電気で走るほうが"お得"なのが判りましたが、
    これを行うためには充電の手段は大事なポイントです。
    プリウスPHEVはCHAdeMO急速充電には対応していないため、充電方法は普通充電のみとなります。
    ※急速充電と普通充電の違いについてはこちらのコラムをご覧ください

    また、プリウスPHEVは急速充電だけでなく普通充電も6kWには対応していないため、200Vの普通充電の選択肢は3kWのみとなります。
    なお、付属の充電ケーブルによる充電は200Vのみ対応していますが、専用のアダプタを使うことで100Vの充電にも対応することができます。200Vと100VそれぞれのプリウスPHEVの充電にかかる時間は以下になります。

    充電種類 電圧 充電電流 時間
    普通充電 AC200V 16A 約4時間30分
    普通充電 AC100V 6A 約39時間以上

    上記のように100Vでの充電は充電時間が非常に長く現実的でないように思われます。
    また、100V充電の場合一般的な家庭用コンセントからも充電することは可能ですが、
    コンセントの耐久性の観点からも頻繁に使用することはメーカーからも推奨されていません。
    プリウスPHEVを自宅で充電する場合、基本的に200Vを選択するべきだと思います。

    自宅に200VのEV充電器を設置するにあたって

    最近は新築戸建てにEV充電器が設置されていることも増えてきているようですが
    まだまだEV充電器のない戸建ての方が多い状況です。
    これからEV充電器を自宅に設置をご検討の方で
    「設置の費用が知りたい!」
    「自分の車にあった充電器が知りたい!!」
    「どうせなら将来的な事も考えたEV充電器をつけたいけど何を選んだらいいかわからない」
    ​など
    EV充電器に関するご不明な点がございましたら、ぜひEVエコホームにご相談ください。